(井上先生の定年退官(2009.3月末日)後における「新現役」としてのご活躍の様子をお知らせするページです)

2009.05.21 日本航海学会 論文賞受賞

 

 

2008年秋の学会で、井上研究室OBが、井上先生と連名で『海上交通の安全を考慮した橋脚配置の設計評価と航行安全対策の効果検証』と題する論文を発表し、この論文が優秀論文と認められ、2009年春の学会で表彰されました。

井上先生にとっては国際学会での受賞を含め8回目の受賞となります。

受賞者は、井上欣三、安田 克(日本海洋科学)、瀬田広明(鳥羽商船高等専門学校)。当日は学会に参加していたOB達が集まって近くの店でお祝いの飲み会が行われました。



この論文では、海上架橋建設の際に橋脚の幅とその配置設計の代替案評価、そして、橋脚建設に伴う航行安全対策をシステマティックに検討するための手順が提案されています。

具体的には、

①橋脚建設前の交通状況を基に、橋脚建設後に橋脚下を操船者がどのような航行ルートを選択して航行するかを予測する。
②推定された橋脚建設後の交通流データに、避航のある海上交通流シミュレーションを援用してすべての船の航跡をコンピュータ上に再現する。
③すべての船の航跡にUSモデル(不安全操船モデル)を適用して架橋下航行中の橋脚への乗り揚げ危険並びに他船との衝突危険を定量評価する。
④このプロセスを種々の橋脚配置代替案、安全対策代替案について実施し、望ましい橋脚配置設計や安全対策案を立案する。

という総合的な評価システムが提案されています。

新しく提案された総合評価システムは、USモデル(不安全操船モデル)を適用した「場の安全性評価」と「自船安全性評価」、ならびにESモデル(環境ストレスモデル)を適用した「場の困難性評価」と「自船から見た操船困難性評価」、の四つの視点から橋脚配置の影響評価や安全対策の効果検証を可能とするもので、井上先生の安全評価研究の総決算とも言えるものです。

興味のある方は、《井上欣三・安田 克・瀬田広明:海上交通の安全性を考慮した橋脚配置の設計評価と航行安全対策の効果検証、日本航海学会論文集 120号、pp.19-26、2009.3》をご参照ください。

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