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阪神淡路大震災から20年 

避難所船構想実現のステージへ 

―シンポジウム開催― 

日台科学技術交流セミナー『災害時医療における船舶の活用に関する日台国際セミナー』 閉幕 - 2007.1.14



開催期間 平成19年1月12日~平成19年1月14日(3日間)
セミナー開催場所 神戸大学海事科学部 総合学術交流棟
参加者数 日本側 83 名 計 101 名
台湾側 12 名
その他の国 6 名


昨年来、井上欣三教授が主宰する神戸大学海事科学部「海上支援ネットワーク」が中心となり、 (財)交流協会の支援ならびに海事・医療各界からのご協力を得て日台国際セミナーの開催準備を進めてきました。

セミナー当日は100名を超える参加者があり、海を越えての災害時医療支援船構想への関心の高さが 伺われました。セミナーでは日本側と台湾側の研究者による発表と活発な意見交換が行われました。とくに、 井上教授から“どうして透析患者なのか”、“どうして海上輸送なのか”が論理的に解説され、また、「海にも 道がある」との意識啓発に対し、参加者の納得と賛同の声が聞かれました。


“災害時医療における船舶の活用に関する日台国際セミナー”では、「継続的な透析治療が必要な患者を、地震などの災害時に近郊の透析病院に、船舶を用いて海上ルートにより搬送し、併せて被災地において不足する透析用資機材を海上輸送する」というコンセプトに基づく活動について、神戸大学海事科学部、国立台湾海洋大学が核となり、これに日本と台湾の医学界ならびに海事関連の官・産が共同して、セミナー形式により医療、船舶、患者のそれぞれの視点から、最新の研究や現状の活動報告、討論が行われた。

セミナーでは、“どうして透析患者が焦点に置かれているのか、どうして海上輸送なのか”などの疑問点が論理的な解説を通じて解消されただけでなく、周囲を海に囲まれた島国ならではの取り組みとして、この世界で初めてのアイデアについて日台両国間で意識共有が図られた。

また、統率のとれた患者搬送を実施するために不可欠な医療側と船舶側を結ぶ通信連携に関する技術開発の必要性やこれまでに開発されてきた海陸連携支援システムに関する研究成果の技術移転が実現するなどの学問的成果が得られた。

さらに、このセミナーの実施により、統率のとれた患者搬送システム構築の重要性の認識、関係者の医療支援船構想への意識啓発の必要性の認識、慢性腎不全からその他の慢性疾患への医療分野の拡大の可能性、患者搬送から船内加療への支援機能の拡大の可能性、医療設備を搭載したコンテナの活用構想、等々今後に向けての展望と課題について知見が整理出来たことも大きな成果といえる。


本セミナーは、

(1)医療・防災の分野に海事という分野を加えて総合化した連携型学際テーマ

(2)災害時医療と船舶をタイアップさせた新しいアイデア

(3)共に海に囲まれ今も地震が頻発する日台両国にとって最もマッチングのとれた共通の協力課題

といった観点から時宜を得たセミナー開催となったと思われます。この構想は台湾側においては国を挙げて取り組む気概が示されており、両国関係者から今後も継続的にセミナーを行って日台両国が共同してこの構想を社会に定着させていく意欲が示されています。また、セミナー参加者からもこの構想の実現を望む声が寄せられています。

今回のセミナーを礎として日台が共同して研究を推進し、両国にそれぞれ独自の支援船構想が定着するよう邁進する所存です。引き続き各界・各位から本関連研究と活動にさらなる御支援を賜ることが出来れば幸甚です。



セミナー1日目
防災関連施設見学『人と防災未来センター』

情報交換会

セミナー2日目

《 施設見学 》 深江丸 海陸連携支援システム

討論
情報交換会

国際活動 - 2006年度