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阪神淡路大震災から20年 

避難所船構想実現のステージへ 

―シンポジウム開催― 

神戸大学大学院自然科学研究科海事科学専攻 博士後期2年 宋 寧而 v1

神戸大学大学院自然科学研究科海事科学専攻 博士後期2年 宋 寧而


2005年3月26日、海上交通工学研究会関西部会は広島県の呉市における海上保安大学校で開催されました。私たちの操船運用学研究室も、井上先生をはじめとして、臼井先生、世良先生、瀬田先生、及び大学院生の謝さん、高橋さんと私、合わせて7人が一緒に参加しました。皆さんはそれぞれに新幹線に乗り、広島駅で合流してから呉行きの電車に乗り続き、当日の午前12時頃、呉市に到着しました。午後1時の前くらいに、発表会場である海上保安大学校に着きました。休日なので、人の姿も見えずに、どきどきしながら学校に踏み込みました。天気は晴れて、海もとても綺麗でした。青い空と白い雲、青い海と白い船。海上保安大学校はこのような美しい大自然に囲まれています。それについての歴史的な連想も知らずにきてしまいました。「呉」という字から、中国の三国時代における「東呉」の歴史は頭の中に浮かんできました。何か関連があるだろうと想像しました。海上保安大学校の立派なキャンパスで歩きながら、気持ちも大分落着いてきました。発表は午後1時から始まりました。会場は大学校の海上保安シミュレーションセンターに設置されました。まず、操船運用学研究室の発表者として、博士後期の私(大学院博士後期2年)謝さん(大学院博士後期2年)、高橋さん(大学院博士後期1年)、臼井先生(助教授)合わせて4人は次々と発表を行いました。

テーマとしては以下のように、13時~13時30分「海運会社における船員能力への期待に対するギャップ・アナリシス」(宋)13時30分~14時「潜在環境負荷と残存環境負荷の関係について-交差航路における数量関係に関する検証-」(謝)14時~14時30分「BRM研修とその評価に関する研究」(高橋)をテーマにしてそれぞれに発表を行いました。私たち3人は今までの研究成果をパワーポイントに作成し、会場の皆さんに報告しました上に、また会場から貴重なご意見を各方面からいただきました。とても勉強になりました。これからも、是非それらのアイデアと考え方を参照として活かし、研究を進めていこうと考えています。

その意味で言えば、研究と勉強の意欲を高めるために、各形式の学会に参加して、発表を行うのは、とても効率的な方法だと言えるでしょうね。次、14時30分~15時まで、臼井先生が「一方通航水路における速力規制のあり方について」というタイトルで発表しました。その次、15時~15時30分まで、海上保安大学校、田中先生より「来島海峡付近におけるAIS搭載船の現状について」をテーマにして、発表がありました。先生達の発表がとても面白くて、興味深くお聞きしながら、いろいろと勉強にもなりました。

続きまして、操船シミュレータ見学会の部分に入りました。海上保安大学校におけるシミュレータの設備は次々と紹介されました。第一船橋、第二船橋、スクリーン室と制御用コンピュータ室、教官操作室、研修室など、様々な操船訓練の設備、及び海上保安用の訓練設備を見せていただきました。これからの新しい海事社会において、海上保安はどのような役割を果たすのでしょうか。それをとても楽しみに期待しております。それだけではなく、新しい時代に直面する私達は、海事教育機関から海事社会に踏み出してから、どの分野で、どのような役目を果たすのでしょうか。それはまだ分からないですが、見学しながら楽しみに期待しはじめてきました。そういう意味で、今回のような研究会も、海事社会における各分野の交流と協力のために、その場所を提供してくださったではないでしょうか。従って、我々学生にとって、シミュレータ見学会も、ただ設備の見学だけではなく、これからの海事社会の見学ともいえるではないでしょうか。

これからの海事社会は独立的かつ協力的な社会です。この社会における様々な分野が持つエネルギーを最大限に活かすために、各分野の協力「場」を作成することはとても大事なのです。それを発表の時にも論点として主張しました。具体的に言うと、今回のような研究会と見学会も、ちょうど協力の「場」を作成することに貢献したと言えるでしょう。海事社会の一員として、「場」の作成に、期待の気持ちはいっぱいです。又、海事教育機関の学生としても、「場」の研究に、動力と熱情はいっぱいです。

2005.4.5

 

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