日本航海学会震災検討会で講演



5月16日、東京海洋大学品川キャンパス白鷹館大講義室において日本航海学会が主催する震災検討会が開催されました。3月11日の東日本大震災に関するおそらく最初の学会報告ということもあって、多くの聴衆が会場いっぱいに参加し熱心にそれぞれの発表に聞き入っていました。

井上名誉教授は、航海学会からの招聘を受け、阪神淡路大震災をきっかけにこれまで主宰してきた「災害時医療支援船構想 」について、ここまでの活動を振り返り、そして、今後の活動のありかたについて講演されました。


■写真
会場 講演
実行委員長挨拶 副会長挨拶

講演概要

「災害時医療支援船」構想は、特別の装備のない普通の船を災害発生時に即座に組織して海からの医療支援を実現する、人の命を救うための有事即応型・医療と海の社会連携プロジェクトである。ここまで、週に23回程度人工透析を受けなければ生きられない患者の維持透析を可能にするため、災害時に被災地から近郊都市に患者を海上搬送し、あわせて被災地で不足する透析資機材を船で輸送するというコンセプトのもと、透析医療界とタイアップして大阪湾を中心とした地域共助の仕組みが築かれてきた。

 昨年、医療者・大学を中心とするチームに難病連、全腎協、腎友会等の患者団体の参加が得られたのを機に、患者の視点でプロジェクトを見直していた矢先の東日本大震災であった。今次大震災であらわになったのは、避難所における高齢者、慢性疾患を抱えた災害弱者に対する劣悪な生活環境、医療・介護環境、患者が殺到することによる医療崩壊寸前の加療環境の実態である。

 講演では、

①人の目を気にするストレスフルな避難所生活、不十分な医療・介護体制、感染症の流行や持病の悪化が迫る災害弱者、十分な透析が受けられない医療環境、在宅患者の酸素の不足、停電による人工心肺の停止、等々危機が迫る避難・闘病生活の実情を検証。

②このような実情に対して医療はどううごいたか、患者はどううごいたか、船はどう動いたか、その一端を紹介する。

③そして、災害時医療支援船活動の立場からは、これまでの船の輸送機能(ひと、ものを運ぶ)の活用に加えて、船の生活機能(人を泊める、生活環境を提供する)を活用したホテルシップ・ドクターシップ構想を提案し、新たな船による医療支援を提案する

④これは、災害による不要な死(災害関連死)を防ぐため、フェリー・客船などをチャーターして被災地港湾に係留、船の自己完結的生活機能を活用して船内で患者に医療・福祉環境(医師、看護師、薬剤師、福祉介護士などによる)を提供し、併せて被災者の避難生活の環境改善を図るものである。


 

講演概要

 

「災害時医療支援船」構想は、特別の装備のない普通の船を災害発生時に即座に組織して海からの医療支援を実現する、人の命を救うための有事即応型・医療と海の社会連携プロジェクトである。ここまで、週に23回程度人工透析を受けなければ生きられない患者の維持透析を可能にするため、災害時に被災地から近郊都市に患者を海上搬送し、あわせて被災地で不足する透析資機材を船で輸送するというコンセプトのもと、透析医療界とタイアップして大阪湾を中心とした地域共助の仕組みが築かれてきた。

 

昨年、医療者・大学を中心とするチームに難病連、全腎協、腎友会等の患者団体の参加が得られたのを機に、患者の視点でプロジェクトを見直していた矢先の東日本大震災であった。今次大震災であらわになったのは、避難所における高齢者、慢性疾患を抱えた災害弱者に対する劣悪な生活環境、医療・介護環境、患者が殺到することによる医療崩壊寸前の加療環境の実態である。

 

講演では、

①人の目を気にするストレスフルな避難所生活、不十分な医療・介護体制、感染症の流行や持病の悪化が迫る災害弱者、十分な透析が受けられない医療環境、在宅患者の酸素の不足、停電による人工心肺の停止、等々危機が迫る避難・闘病生活の実情を検証。

②このような実情に対して医療はどううごいたか、患者はどううごいたか、船はどう動いたか、その一端を紹介する。

③そして、災害時医療支援船活動の立場からは、これまでの船の輸送機能(ひと、ものを運ぶ)の活用に加えて、船の生活機能(人を泊める、生活環境を提供する)を活用したホテルシップ・ドクターシップ構想を提案し、新たな船による医療支援を提案する

④これは、災害による不要な死(災害関連死)を防ぐため、フェリー・客船などをチャーターして被災地港湾に係留、船の自己完結的生活機能を活用して船内で患者に医療・福祉環境(医師、看護師、薬剤師、福祉介護士などによる)を提供し、併せて被災者の避難生活の環境改善を図るものである。

災害時医療支援船プロジェクト