阪神淡路大震災から20年
避難所船構想実現のステージへ
―シンポジウム開催―
カーディフ大学留学 北田(本橋) 桃子v2
井上先生、
お元気ですか。
いつもお世話になっております。
2010年12月15日に無事、博士論文「女性船員とアイデンティティ(原題:Women Seafarers and their Identities)を提出し、カーディフ大学社会科学院よりPhDを授与されましたこと、ご報告いたします。社会科学研究手法のディプロマコース(1年)を含め、5年もの間、英国カーディフ大学で博士研究に従事しました。その間、結婚・出産も経験し、苦労が多かった分感慨もひとしおでした。
去る9月20日に論文を仮提出した後、9ヶ月の息子と手伝いに来てくれていた実母と共にいったん日本へ帰国いたしました。その後、12月6日に口述諮問が実施されるにあたり、単身渡英しました。外部査読委員のクララ・グリード先生(西イングランド大学)と内部査読委員のジェイン・ソールスベリー先生(カーディフ大学)による2時間を超える質疑応答には落ち着いて答えることができたと思います。その結果、多くの学生が当てはまるカテゴリー、最大12週間程度の要修正という条件付きで、合格することができました。ところが、喜ぶ心のゆとりはおろか、10日弱という時間の制約の中で、幼い息子の待つ日本へ帰らねばならなかったため、なりふり構わず全神経を集中して論文の訂正を行いました。
修正箇所はスーパーバイザーであるテレサ・リー先生にチェックしてもらい、更に議論と訂正を重ね、最終的に内部査読委員のジェイン・ソールスベリー先生の承認をもらって初めて、博士論文完成となりました。大急ぎで論文を印刷し、製本所へ持ち込み、何とか掛け合って帰国前に仕上げてもらうようにお願いしました。ハードカバーに製本された博士論文を自分自身の手で大学に提出することができたのは、帰国前日の夕方ぎりぎりでした。
スポンサーである日本財団からのサポートはもちろんのことですが、この論文提出に実母の協力はなくてはならないものでした。そして誰よりも、井上先生には(今後もですが)今まで色々と親身になって応援していただき、本当に感謝しています。勝手ながら、論文の謝辞にも井上先生のお名前を入れさせていただきました。どうもありがとうございます。
... I owe my great professor from Kobe University, Japan, Professor Kinzo Inoue, has provided continuous emotional support since I moved from his research laboratory to Cardiff University. ...
内からも外からも多大なる協力を得て、この日を迎えられたこと、本当に幸せに感じております。取り急ぎ、論文提出したことをメールさせていただきました。後日、博士論文を井上先生にもお送りしたいと思います。
北田 桃子
イギリス留学中 - England