日本透析医学会学術集会・災害時医療支援船構想発表

平成20年6月20日(金)から22日(日)までの3日間の日程で、神戸ポートピアホテルおよび国際展示場を会場として、第53回日本透析医学会学術集会・総会並びに特別企画展示会(水口潤大会長)が開催されました。 日本透析医学会の年次学術集会には、おおよそ2万人規模の参加者が神戸ポートピアホテルに集まりました。井上教授は、シンポジウム「大規模自然災害対策」のセッション司会、並びに論文発表者として招聘されました。 これまでに井上教授らは、「災害時に透析患者と透析資機材を船で海上搬送する」プロジェクトを、国・自治体の協力を得て、関西圏エリアプロジェクトとして確立し、シンポジウム講演では、このプロジェクト誕生から確立までの経緯と、維持透析だけでなくクラッシュ症候群による緊急透析に対する海からの支援について、新しい展開のアイデアを披露しました。

井上教授からのコメント 《次なる課題》

1)地域の基幹病院(大学病院、自治体病院、赤十字病院、地域の中核病院等)が果たす役割が大きい
  • 地域の基幹病院が、災害情報や支援ニーズについて地域のクリニック全体を取りまとめる体制が必要と考える。
  • 海側の組織と連携する際に、地域の基幹病院がリーダシップをとっていくしくみが望ましい。
  • 海と医療界の間をつなぐための機能として「海陸連携支援システム」は不可欠と考える
2)医と学のこれからの連携
  • トリアージを受けて海上搬送される患者の船内加療に目を向けた研究の必要性を感じており、この点について医学会と連携して研究したい。
  • 一方で、トリアージにより岸壁に残された患者に対する加療を岸壁でできる取り組みについて海からの支援を活用し、医学会と、また、異業種の共同の取り組みを実現したい。


災害時医療支援船プロジェクト