特許

日本特許(USモデル) 


井上欣三神戸大学名誉教授は、安全性評価技法の確立を研究の柱としてこられました。主な成果としては、係留索の破断確率および錨の走錨確率を指標とする船舶の係留時安全性評価モデルを開発され、また、海上交通と操船の安全性を数値で指標化するために、ESモデルとUSモデルを開発されました。

ESモデルとUSモデルは、海上交通工学的手法に操船技量、操船者の安全感覚といった操船者のヒューマン ファクターを組み込んだ新しい定量評価モデルです。これらの評価モデルは、沿岸域や狭水道だけでなく、港内のように地形的に制約された水域や交通が輻輳する場での操船の安全性を、一貫したアルゴリズムのもとで定量的に評価するためのモデルです。

このうち、USモデルは港湾や沿岸水域での交通輻輳に伴う操船の危険性を計算する評価モデルです。操船の危険度を事故発生確率を直接計算して評価するユニークな新しい技法として、2007年国際学会で最優秀論文賞を受賞、その成果が国際的に認められ、そして、その技術は2006年に(株)日本海洋科学と共同で日本国内特許を取得しています。

韓国特許(ESモデル) 

 ESモデルは、沿岸域や狭水道だけでなく、港内のように地形的に制約された水域や交通が輻輳する場での操船の困難性を、一貫したアルゴリズムのもとで定量的に評価するためのモデルです。この評価モデルによると実際に操船者が感じる困難性を簡単な計算で求めることができるメリットがあり、また、心理学的に測定した値とモデル出力値とが極めて良い対応を示すことが九州大学の研究者グループにより証明されています。

このESモデルを用いて港湾及び沿岸水域の交通輻輳に伴う操船困難性をリアルタイムに計算し、操船困難な様子をコンピュータディスプレイに表示する技術が、2011年10月に韓国で特許認定されました(韓国特許ESモデル 2011年10月6日 特許第10-1072994)。特許申請は韓国海洋大学校朴鎮珠先生、朴榮守先生、神戸大学井上欣三名誉教授の共同申請です。